オリンピックは「劇場型」で魅せる! 〜泳ぐマラソンレース〜
海や川、湖などの自然環境を舞台に泳ぐ、
トライアスロンの水泳の部分が独立したような、水泳競技。
それが、『オープンウォータースイミング』 である。
プールで泳ぐ通常の競泳種目とは異なり、
選手同士の身体接触や、駆け引きが数多くみられ、
潮の流れや波の影響を考慮したレース戦略を練ることから、
別名、『泳ぐマラソン』 とも言われている。
この、オープンウォータースイミングは、
国際水泳連盟が承認している、5つの水泳競技種目のひとつで、
1991年からは、世界水泳選手権の正式種目となり、
2008年の北京五輪からは、オリンピックの正式種目となっている。
世界水泳選手権では男女ともに、5km、10km、25kmの、
3種目が実施されているが、オリンピックでは男女共に10kmの種目が、
『マラソンスイミング』 という名称で実施されている。
北京オリンピックで、マラソンスイミングの会場となったのは、
ボートやカヌーといった競技と同じ、人工貯水池として作られた水上公園。
カヌー競技の、『フラットウォーター種目』 が行われる、
この人工池の水面は、全く波のない極めてフラットな状態。
この中を男女各25名の選手たちが、
まるで巨大プールのような水面に設置された、
1周2.5kmの、四角形のコースを、
約2時間かけて4周回し、初代オリンピック王者の座を競った。
海や湖ではなく、このボート・カヌー会場が、
マラソンスイミングの会場に選ばれたのには訳がある。
それは、2006年8月の、国際オープンウォータースイミングのセミナーにおいて、
オリンピックと世界選手権に限っては、自然環境を泳ぐことにこだわらず、
集客が見込め、スポンサーメリットの高い会場で開催することが、示唆されていた。
トライアスロンにも複数の形式があるように、オープンウォータースイミングにも、
自然環境を泳ぐ、”従来型” と、競技を魅せることに特化した、
”劇場型” の2つが並立していくのかもしれない。
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